相続の知識

「遺産分割」と生命保険活用

(活用例)
「財産分けをする際に相続人同士で争いをしてほしくない」
「この財産は特定の相続人に相続させたいが、そうすると他の相続人に渡す財産がなくなってしまう」

たとえば

⾃宅の家と⼟地を⻑男に相続させようとする場合、次男には生命保険(保険⾦)を残すようにすることで、⻑男と次男の相続をめぐる争いを避けることができます。
その場合、⻑男が相続する分と、次男が相続する分が著しく不公平にならない(遺留分を侵害しない)ように配慮する必要があります。
生命保険を活用するメリット

「今ある財産をどう分けるか」ということではなく、生命保険という新たな財産(現⾦)を「今ある財産の外からもってくる」ことができるので円満に遺産分割することができます。

「分けるべき財産がない」ときこそ生命保険を活用する(生命保険を活用するメリット)

たとえば

相続人が⼦供2人(⻑男・次男)で⺟親が、すでに亡くなっていて、⻑男が実家で⽗親と同居している。
⽗親が亡くなった後の実家の家と⼟地は⻑男が相続する場合(財産といえるものは「実家の宅地だけ」という場合)

この場合、⻑男は実家の家と⼟地を相続することができますが、次男は「何ももらえない」ことになってしまいます。
次男から「遺留分」を要求されたら実家の⼟地を売らなければならなくなるかもしれません。

このようなことが予想される場合は、被相続人が(健康状態が良好なうちに)保険に加入しておくことで相続が発生したときに次男に残すための現⾦(今ある財産の外から「保険⾦」という財産)を用意することができるのです。

例題のようにするために十分な時間が必要なために「生命保険」が「もってこい」なのです。


提案① ⾃宅を相続できない次男に保険⾦を残す(次男を保険⾦受取人に指定する)

契約者 被保険者 保険⾦受取人
次男

提案② ⻑男から次男へ「代償交付⾦」として(保険⾦を代償交付⾦として活用)

契約者 被保険者 保険⾦受取人
⻑男

相続人の遺留分(法定相続分の 1/2)を侵害するのを避けるために、本来の相続財産の外から、もたらされる保険⾦を(この場合 は⻑男が)受け取って、それを次男に「代償交付⾦」として渡して相続をめぐる争いを避けるための生命保険の活用⽅法です。